「土地の目利き養成ツアー」を開催した頃に購入した本です。
先日の雨の八幡平で再読してみました。
ーーー ・海でビーチパラソルを立てる、花見やピクニックで木陰に座る。
強い日差しの元では居続けられないので、本能的な居場所を見つける。
このことが建築の始まりとも言える。
・気候風土を無視した、強引にねじ伏せたようなアクティブな建築デザインは
無駄な費用と労力を要し、住まい手も建物も疲労していく。
・本能的な居場所の感覚を研ぎ澄ませ、道路、隣人との距離と関係を的確に捉える。
・先人の経験値が蓄積され、風雪に耐えてきた形。
・気候風土に根ざし、個人の趣味嗜好を超えた価値を示す。
・刺激的で濃い味はたまに食べれば美味しいが、日常的に継続して
食べることはできない。
・住宅設計とは、淡々とした表現を粘り強く、長いスパンで持続して考えていくこと ーーー
自分の想いと重なる方がいると勇気付けられます。
目立たずも、薄口醤油味でも、そこに住まう方の「ケ」の日常が穏やかに流れることを重視していきます。
「ハレ」の建築は商業建築。「行く」場所には「ハレ」の華やかさ、「帰る」場所には「ケ」の落ち着きが
良いのではないかと思います。