思っていた場所を選び、出かけてきました。
雨が降り止まない中、国道106号と三陸道を乗り継いで野田村というところへ。
前職の時、仕事の合間にいろいろ見て廻り、家族を連れて行きたいと思っていた
場所です。
最初に立ち寄ったのは「涼海の丘ワイナリー」さんです。


娘には野田塩アイス、妻にはワインを数種類試飲してもらって、気に入ったワインを求めました。
他のお客さんはゼロ。
お店にとっては繁忙期なはずだった事と思います。

山葡萄を使ったワイン。熱心に説明してくれたお店の方のお話では、限りなくフランスの
作り方を再現していること、地元で採れる山葡萄の活用に貢献したいこと、高齢化と
収入減により年々減っている農家さんの力になりたいといった想いを伺うことができました。
こういったお話は他にお客さんがいなかったからこそ伺えたのだと思います。

次は「アジア民族造形館」へ。
海から一転、狭い山道をひたすら登り、やっと辿り着くような場所にひっそりと佇む集落です。
こちらも他にお客さんは無し。

囲炉裏には火が焚かれ、茅葺の屋根を保護していました。
現在、茅葺の葺替えが出来る職人さんは岩手にはいない事、1棟の葺替えに2000万円以上
掛かる事など、案内の方に教えていただきました。

アジア各国の民族衣装や帽子、食器、楽器など、生活に密着した民芸品が展示されています。
デザインも色彩も、何かと勉強になります。
このようなデザインに至る。この色を選ぶに至る。
その地域に住んでいた人たちの生活に想いを馳せながら見学した当時を思い出しました。

平成2年までおばあさんが一人で暮らしていた曲り家。
お風呂、トイレは別棟。台所と呼べる場所も無く、水を汲んで土間で調理していたそうです。
冬は外気と変わらない気温、晴れた日はむしろ外の方が暖かく感じたそうです。
そんな環境で暮らしていたため、おばあさんのほっぺたは紫色に変色していたそうです。
今の住宅は断熱材と気密工事で暖かい家となっていますが、案内の方の、
「風通しが良かったからこそ、今でも残っている」という言葉が印象的でした。

南下して「道の駅たのはた」へ。
新しく立派になっていました。閉店間際だったため、お客さんもまばら。
ボクはお土産品よりも、木造架構に興味を持ちました。
大きな屋根空間の中に小空間を仕切る。
こんなプランニングを住宅でもやってみたいな、と思いました。

お土産で求めたこちらのプリン。
完全放牧で牛やヤギを育てている「しあわせ牧場」さんのプリンですが、これがとても美味しかったです。
県内にはまだまだ行ったことのない場所や名産品があります。
コロナ禍ではありますが、対策をしっかりと行いつつ穴場を探す、という楽しみ方もあると思います。
今回選んだ場所は、予想していた通り、他のお客さんはおらず、また立ち寄った道の駅も、時短営業により
閉店間際に行ったため、密な状況ではなかったです。
とはいえ、感染者数が減らない事にはそれもままならないと思います。
予定されている子供の行事にも影響が出てきそうです。
せめてささやかな思い出づくりにとの親心も、今後は辛抱です。
夏季休暇が終われば、1年の後半戦といった様相。
事故のないよう、気を引き締めて締めくくりたいと思います。